2025年8月28日に FCNT の新しいスマートフォン arrows Alpha が発売されました。
キャッチコピーは「パワフル & タフ AI搭載 arrows 最上位モデル」。
このタフさは、スマホ本体の堅牢性(丈夫さ)だけでなく、バッテリーの長持ちといった面などでも実現されています。
今回は、その「タフ」さがどのように作られているのか、その一端が分かるツアーに参加してきました。
場所は神奈川県大和市にある FCNT 地下実験室です。

なぜ地下なのか?
それは外部からの電波等を遮断し、より純粋な環境下で実験を行うためだそうです。
参加したことで、タフさだけじゃなく、当たり前だと思って使っている機能の裏側を知ることもできました。
FCNT が堅牢性にこだわる理由は「永く使えるように」という思いからです。
私たちとしても、日々使うスマホはできるだけ長く使いたいものですよね。
タフなスマホ 堅牢性は FCNT のこだわりのひとつ
スマホを使っていて「あ!」という場面は誰しもあると思います。
- 手が滑って落としてしまった
- 踏んでしまった(しかも靴で)
- 疲れていて、ポンと投げるように置いてしまった
- 土砂降りの日で、カバンの中のスマホも濡れてしまった
いくらケースをつけていてもドキっとする場面です。
もし画面がバキバキになったり、表示がおかしくなったり、動作しなくなったりしたらショックですよね。
ドキッとしても大丈夫。
多少ボディに傷がついたとしても、動作するよう、画面には傷がつきにくいよう設計されています。多少のことではなんともない、丈夫な「堅牢性」が FCNT のこだわりのひとつでもあります。

堅牢性といわれると、なんだかがっしりとしたデザインのスマホをイメージしがちですが、FCNT のスマホは一見するとそれほど丈夫そうに見えないデザインです。
今年発売された arrows Alpha も、日本人の手になじみやすいサイズ感で、どこがタフなんだろう?という第一印象。
その見た目とは裏腹に、堅牢性について、さまざまな試験が行われています。

- 1.5mコンクリート面落下試験(26方向)
高さ1.5mのところからコンクリートの上にスマホを26方向で落とす試験 - 円錐落下試験
スマホの画面に数十センチの高さから円錐の鉄を落とす試験 - 3点曲げ試験
スマホの両端は固定した状態で真ん中あたりに曲げようとする力を加える試験
ズボンのポケットに入れて座った時などを想定 - アスファルト面落下試験
ざらざらとしたアスファルトの地面にスマホの画面を下向きにして落とす試験 - Vビット(鋭鉄)落下試験
スマホの画面とボディの境目に先端が尖った鉄の棒を落とす試験
スマホの画面はガラス製で、弱点は面ではなく縁のため - 角曲げ試験
スマホの角に力を加えて圧をかける試験 - 繰り返し落下試験
ちょっとした高さから何度もスマホを落とす試験
スマホをポイっと置いてしまったり、手からデスクに落ちるということなど想定 - ねじり試験
スマホの上下を固定してねじる試験 - 点圧迫試験
画面にぎゅーっとピンポイントに圧力をかける試験
など




上記は試験の一例で、他にもさまざまな試験機器がありました。
これらの試験でボディには多少傷がついても、画面に傷がついたり割れたりすることなく、表示にも影響がないかどうかを確かめます。
全ての過程をクリアしないと、製品化には至りません。
もしダメなら、やり直しです。
試験の内容は、日常的にスマホを利用する中で想定される状況や場面が考えられています。
例えば、スマホを肩と耳で挟んで通話しながら、カバンの中の書類を探していたら、スマホが落ちた。
この状況は「1.5mコンクリート面落下試験(26方向)」に該当します。
FCNTのスマホは arrows シリーズ、らくらくスマートフォンシリーズなど、シリーズによってそれぞれの基準で丈夫さを謳っています。
今まで培ってきた技術力があるからこそ、そこまでしなくてもと思えるほどの「タフさ」や「堅牢性」が実現されているのだと感じました。
そして、スマホ本体を丸洗いできる「タフさ」を証明する試験でも、気が遠くなる作業が行われていました。
泡ハンドソープ、台所用洗剤で、スマホ本体を洗っても動作するかどうかの試験です。
試験のほとんどはオートメーション化されていますが、人の手で洗うという作業は繊細で自動化が難しいため、手洗い試験は自動化できないとのことです。
丸洗いする回数は、実に1,100回。
- スマホに泡ハンドソープの泡をつけて6面を洗う
- 水でよく洗い流す
- タオルで優しく拭き取る(USBコネクタ部分は特に水分が残らないように)
- 電源が立ち上がり、普通に起動するかどうか確認
この作業を1,100回繰り返します。

「そこまでせんでもええやん」って思うのですが、1,100回にも意味があります。
1日1回、毎日泡ハンドソープで洗っても最低3年は問題がないように
これが基準となり、1,100回という回数になったそうです。
正直「毎日洗うのもめんどくさいわ」と思いましたが、コロナ禍を体験した私たちには、毎日帰宅後スマホを丸洗いできることのメリットもわかります。
同じくツアーに参加しているメンバーが一同に心配したことは、スタッフの手荒れのこと。
1,100回洗うにはだいたい1週間かかるとのこと。そりゃ心配になりますよね。
心配ご無用、洗う時にはちゃんと専用の手袋をしているそうです。それでも水で洗い続けていたら体が冷えるだろうなと思ってしまいました。
そこまで徹底的にすることで、安心して永く使えるようなスマホが誕生しているのですね。
スマホの丈夫さや洗えるといったことは、なんだか当たり前というか「へ〜そうなの」くらいにしか思っていなかったので、自分にゾッとしました。
arrows Alpha の発表会に参加した際には「80℃の高圧洗浄機でも大丈夫 IPX9」や「-1℃でも使えます」といった試験もクリアしていることをデモンストレーションされていました。
そのことについては別記事にありますので、参考までにご覧ください。
らくらくホン F-41F
※ 2025.06.17 の発表会で公表された販売チャネルより一覧を掲載
※ SIMフリーモデルの販路 2025.08.01 に発表された内容に基づき掲載しています。参考情報:SIMフリーモデルの「arrows Alpha」を8月28日(木)より発売
使えて当たり前!スマホ決済・通話・通信の試験
スマホが永く使えるよう、丈夫さにこだわりを見せた FCNT の地下実験室。
他にも、日頃「使えて当たり前」と感じている機能を支える試験を見学しました。
超近距離無線通信、電波受信機能、音声通話(電話)機能、充電機能についての試験です。
スマホで改札を通る時やスマホで決済をする時、スムーズにいくのは当たり前。
通話は聞こえやすく、データ通信のつながりやすさも当たり前。
いろんな当たり前が揃っていることが、私たちにとって使いやすいスマホでもあります。
超近距離無線通信試験
スマホで「ピッ」としたことはありますか?
- おサイフケータイ、電子マネー( Suica等交通系、Quick Pay や ID など)での支払い
- マイナンバーカードの読み取り
- 新幹線のグリーン席でのチェックイン
など、さまざまな場面があります。
スムーズに「ピッ」で終わるのが当たり前ですし、スムーズじゃないと困ってしまいます。
しかも、お金に直結する大事な機能なので、あまりにも簡単に「ピッ」と出来すぎても怖いですよね。
「ピッ」とするには無線通信が利用されています。
無線通信というと遠くまで届くイメージもありますが、スマホのおサイフケータイやマイナンバーカードの読み取りなどに使われているのは「超近距離無線通信」です。
超近距離ってどのくらいかというと、大人の手のひらの横幅分くらい、約15cm 以内の距離です。

この距離を越えて反応してしまうと、他人のスマホで「ピッ」となってしまう可能性が出てしまいます。
そうならない為にも、超近距離無線通信の技術が必要なのです。
そして、この超近距離無線通信を担うパーツは非常に小さいです。


0.5mm のシャーペンの芯の先より小さいです!!
台紙から外した途端、見失ってしまいそう。


これをお箸で摘めたら、FCNT の地下実験室で働くことができるかも?!

自分で割と手先が器用と思っている管理人ですが、、、その話を聞いた時、専用の箸を作って、チャレンジしてみるか?と頭をよぎりました(FCNTに入社する気なのか?w)
正直、こんな小さなパーツがスマホに入っていて「ピッ」と決済ができるの?!と驚きました(今回の地下実験室ツアーで一番衝撃をうけたのが、この超近距離無線通信試験のところでした)。
実験室には、日本国内で実際に利用されている、さまざまな非接触IC通信機器が並べられていました。

電車やバスの乗車時に、スマホを「ピッ」とする、あのお馴染みの機器もあります。

中でも SONY が開発した Felica が最も基準が厳しいため、全て Felica の基準に合わせて設計をしているとのこと。
小さい超近距離無線通信パーツを設計・スマホに組み込み「ピッ」と簡単に反応するかをチェック。出来ない場合は分解して微調整を…と繰り返します。


当たり前に使っているスマホの決済機能が、こんなに緻密なことで出来上がっていることを知り、衝撃を受けました。
ちなみに…
スマホの背面に「モバイル非接触IC通信マーク」が付いているのを見たことがありませんか?

※写真にあるモバイル非接触IC通信マークは、フェリカネットワークス株式会社の登録商標です。
※ Felica はソニーグループ株式会社またはその関連会社の登録商標または商標です。
この写真は、2025年8月28日発売開始された FCNT arrows Alpha の背面です。
実は、撮影するのがちょっと難しかったくらい、パッと見では見えません。
でも、肉眼では見えます。
このマークがあるところで NFC 機能が反応するように設計されています。
逆に言うと、このマークがあるところを「ピッ」とかざすと、しっかり反応するように設計されているということ。
スマホメーカーによって、「ピッ」とする時の位置が異なることがありますよね。
一部の海外メーカーではこのマークがないスマホもありますが、FCNT ではこのマークを付けてスマホを世に送り出しています。
このマークがないと日本では売れないという事情もあるようで(一部海外メーカーを除く)、世の中には、知らないところでさまざまな基準があるのだなと思いました。
「デザイン的にはマークはない方がいい」という声もあるので、デザインの邪魔にならないよう工夫をしているそうです。
「マークがある方が、誰もが使いやすい」という意味では正論ですよね。
サブ管理人はマークを意識したことなかったので、逆に知ってよかった!と思いました。
今後はマイナンバーカードの読み取りやスマホ決済はどんどん増えていくでしょうから、いろんな場面で焦りたくありません。
分かりやすいマークがあると助かります。
電波も繋がるように
スマホのモバイル通信は NTT docomo、au、SoftBank、楽天モバイルの 5G / 4G(LTE)のそれぞれの電波をキャッチしないことには使えません。
格安SIM も これらキャリアの回線を借りていますので同じです。
地下実験室の中には、このようなツンツンした壁・天井・床の部屋がありました。

あらゆる電波を遮断した部屋の中で、一定方向から放たれた電波をどうキャッチするのか、左右に360度回転する機器に設置されたスマホのアンテナの具合を評価する試験所です。
こちらも基準をクリアしないと製品化にはなりません。




部屋の四面は、跳ね返る電波(音も)を吸収される特殊な素材で出来ています。
ツンツンをそっと触らせてもらうと、固いスポンジのようでした。

スピーカー・マイクの性能試験
次に訪れたのは、スマホの聞く(スピーカー)と話す(マイク)の性能を評価する実験室です。


- スマホのマイク、スピーカーの性能試験
スマホのスピーカーからの音の聞こえ具合や、マイクで音をどう拾うのかなどを、無音室で性能試験します。 - さまざまな騒音の環境下での音声試験
走行中の新幹線の車内、アミューズメントパーク、交通量のある街中など、さまざまな騒音環境下を想定し、その中で話した声が相手にクリアに声が届くかどうかの試験です。
さまざまな騒音の環境下での音声試験を体験できました。

ドアを閉めると音が遮断される部屋の中には、大きめのスピーカーが人を取り囲むように何台か設置され、騒音環境を擬似体験できます。
中に入って、遊園地などアミューズメントパークを想定した音を聞いた時には、正直びっくりしてしまうほどの音量でした。
通話実験をしたのは、走行中の新幹線の車内の音です。
1人が騒音の流れる部屋に入り、1人が部屋の外で電話を受けます。
部屋の中の人は騒音が聞こえていますが、外にいる人にはスマホ越しの騒音はほぼ聞こえません。
声はしっかり聞き取ることができました。

スマホで通話が聞こえやすいも、当たり前なのですが。
今話したくないのに電話に出てしまい「ごめん!今うるさくて!また明日かけ直すから!」と言い逃れできないなあとか、アリバイが成立しなくなることがあるかもとか、意地悪を言いたくなってしまうほど、騒音が聞こえませんでした。
ノイズキャンセラーオン・オフが選べたら最高?!
充電のスピードも進化
日常生活で必須になってきたスマホは、充電がなくなると使うことができません。
いくら丈夫で、通話や通信、決済も当たり前にできると言っても、日々の充電に時間がかかるようでは一気に使いづらいスマホに感じてしまいます。
ということで、地下実験室では、歴代の FCNT のスマホに比べて、最新機種(今回は arrows Alpha)がどのくらいのスピードで充電できるのかを試験していました。

arrows Alphaの充電スピードは歴代に比べても早く、15分ほどで 2%から 56%まで充電ができていました(付属の充電器利用)。
arrows Alpha は約35分の超急速充電が可能とされていますが、この試験をみると納得できます。



arrows Alpha には 90Wの充電器が付いてくるのでお得かなと思います。
最近のスマホには充電器が付属しないケースも増えてきてますからね。

また、スマホのバッテリーを長持ちさせる「自動調整バッテリー」機能がついているのもうれしいところ。
使う時にはオンにしておきたいなと思いました。

らくらくホン F-41F
※ 2025.06.17 の発表会で公表された販売チャネルより一覧を掲載
※ SIMフリーモデルの販路 2025.08.01 に発表された内容に基づき掲載しています。参考情報:SIMフリーモデルの「arrows Alpha」を8月28日(木)より発売
一般参加 La’ Members 見学会の様子
今回の FCNT 地下実験室ツアーは一般参加枠もあり、FCNT のスマホユーザー向け無料会員サービス La Members から応募されていたとのこと。

地下実験室ツアーの前には、実際に arrows Alpha を触って arrows AI 機能や写真撮影を試してみる体験会が行われていました。
写真撮影では、外の風景を撮ってみたり、被写体の花や人物でポートレート機能を試してみたり、FCNT のスタッフの方々も交えて、わいわいと楽しげな雰囲気でした。

地下実験室ツアーでは、一般参加の方も興味津々。
FCNT の中の人と直接話ができたりすることも楽しまれている様子。
小学生くらいのお子さんも参加されていたので、こんなツアーを体験できるチャンスはたくさんあるといいなあと正直に思えました。
FCNTの広報の方に聞いたところ、実際に応募の時点で反響がかなりあったようで、今後も地域活動の一環として、見学会を続けることができたらいいなという夢もあるそうです。
FCNT 地下実験室ツアーに参加して
スマホの買い替えは、コストがかかりますし、面倒です。
できるだけ気を使わずに、スマホを永く使いたい。
今回の実験室見学ツアーでは、そのニーズに応える FCNT ならではのこだわりを目の当たりにしてきました。
正直「そこまでする?!」と思いましたが、そこまでするから「堅牢性がある」「丈夫です!」を胸張って言えるのでしょう。
当たり前に思っていた機能は、それを真摯に支える人たちがこんなにもいて、途方にくれるような細かい作業を積み重ねてきたんだと知り、胸が熱くなりました。
スマホに限ったことではありませんが、日本の販売基準が厳しいということもあるのかもしれません。
FCNT は、富士通から独立し、中国のメーカー Lenovo の傘下に入りました。
「日本メーカーじゃない」という思いもよぎりますが、スマホのパーツを調達するには、グローバル展開している Lenovo グループに入っている方が、スピーディかつ十分な量をコストを抑えて入手できるメリットがあります。
設計やどのようにこだわってスマホを作り上げるかは、FCNT に任されているとのこと。
コストを抑えつつ、日本人ならではのこだわりを活かせる、日本の職人魂が生きているのが FCNT というメーカーなのかなと思えます。
なお、FCNT 公式 arrows Alpha 特設サイトに CM 3本が公開されていましたのでリンクを貼っておきます。
今回のツアーで試験を乗り越えた arrows Alpha の丈夫さを証明する動画ですよ。
こんな場面に遭いたくないけど…何が起こるかわからないのも人生ですよね…
- 落としても
- 踏まれても
- 水没しても
らくらくホン F-41F
※ 2025.06.17 の発表会で公表された販売チャネルより一覧を掲載
※ SIMフリーモデルの販路 2025.08.01 に発表された内容に基づき掲載しています。参考情報:SIMフリーモデルの「arrows Alpha」を8月28日(木)より発売
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